カンサス | |
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米国サンティアゴ公演(2017年7月) | |
基本情報 | |
別名 | ホワイト・クローヴァー・バンド(1969年 - 1973年) |
出身地 | アメリカ合衆国 カンザス州トピカ |
ジャンル | |
活動期間 | |
レーベル | |
公式サイト | KANSASBAND.com |
メンバー | |
旧メンバー | 本文参照 |
カンサス(Kansas)は、アメリカ合衆国出身のプログレッシブ・ロックバンド。1970年代のアメリカン・プログレ・ハードから誕生したグループの一つ。伝統的な流れを汲む王道のアメリカン・プログレを展開していたが、1980年代にはポップ化路線に移行。1990年代以降からは、往年のスタイルに原点回帰している。
1969年、フランク・ザッパに触発されたケリー・リヴグレンを中心に、前身である「ホワイト・クローヴァー・バンド」を結成。しばらくはメンバー・チェンジを繰り返しながら、カンザス州を拠点に活動。1972年頃にフィル・イハートがイギリスに音楽留学へと行った際、全盛期のプログレッシブ・ロックを目の当たりにして衝撃を受け、同路線に転向。1973年にバンド名を「カンサス」と改名し活動を始める。
1974年に1stアルバム『カンサス・ファースト・アルバム』でメジャー・デビュー。翌年には2ndアルバム『ソング・フォー・アメリカ』、3rdアルバム『仮面劇』を発表した。これら3枚はいずれも最終的にゴールド・ディスクを獲得している。
1976年には『永遠の序曲』を発表。「伝承 (Carry On Wayward Son)」のシングル・ヒットも生まれ、アルバムは同年中に100万枚、1995年までに400万枚を売る大ヒットとなった。
1977年発表の『暗黒への曳航』からは「すべては風の中に (Dust In The Wind)」が大ヒットし、アルバムそのものも同年中に100万枚、1995年までに400万枚に到達している。
また、ライブ活動も積極的に行っており、毎年のように100本以上のツアーをこなしている。1978年には、1977年から1978年の3本のツアーで収録した音源をもとに、LP2枚組のライブ・アルバム『偉大なる聴衆へ』を発表。翌年に100万枚到達。
1979年には『モノリスの謎』、1980年には『オーディオ・ヴィジョン』とコンスタントにアルバムを発表。同年1月に、初来日公演を開催。
1981年、ソロとして活動することを決意したスティーヴ・ウォルシュがバンドからの脱退を表明する。バンドは新メンバーのオーディションを行い、新人のジョン・エレファンテがボーカル&ソングライターとして加入する。
新生カンサスとして1982年にアルバム『ビニール・コンフェッション』を発表。先行シングル「Play The Game Tonight」が17位まで上がり、久々のヒットとなる。
1983年の『ドラスティック・メジャーズ』はよりポップでコンパクトにまとめられたアルバムだったが、売上の面では成功しなかった。バンドの象徴的存在だったヴァイオリンのロビー・スタインハートと、ケリー・リヴグレンが脱退。翌年にバンドは、ベストアルバムの発売と同時に活動を停止する。
1年後の1985年、スティーヴ・ウォルシュが復帰して、リチャード・ウィリアムス、フィル・イハートの3人が中心となり、ギタリストにスティーヴ・モーズを迎えるなど新たな編成で活動再開。翌年に復活アルバム『パワー』を発表。以降はオリジナル・メンバー以外、流動的なメンバー構成で活動を継続する。
2000年にはオリジナル・メンバー全員でのリユニオンも成し遂げ、14thアルバム『サムホエア・トゥ・エルスホエア』を発表した。
2008年、未発表音源を大幅に加えた発売30周年記念盤の『偉大なる聴衆へ』をリリース。
2009年にはオーケストラと共演したライヴDVD『There's Know Place Like Home』をリリース。これには旧メンバーのケリー・リヴグレンと、スティーヴ・モーズがゲスト参加した。
2013年、旧メンバーが客演したオリジナル・ラインナップで、結成40周年記念ライブを開催。
2014年、中心メンバーのスティーヴ・ウォルシュが再度の脱退。
2014年、ウォルシュの後任に、ロニー・プラット(ボーカル)とデヴィッド・マニオン(キーボード)が加入。
2016年、16年ぶりの15thアルバム『暗黙の序曲』をリリース。ザック・リビ(ギター)が加入し、7人編成に移行する。またこの年、往年のアルバム『永遠の序曲』の発売40周年を記念し、同作品を完全再現したライブ・ツアーを開催した。
2018年、5thアルバム『暗黒への曳航』の発売40周年を記念し、同作品を完全再現したライブ・ツアーを開催。同年末、デヴィッド・マニオンが脱退し、トム・ブリスリンに交代。翌年3月から同ツアーを再開する。
2021年4月、ザック・リビが脱退し、6人編成に復帰。7月、創設メンバーであったヴァイオリニスト、ロビー・スタインハートが病没。
2023年、結成50周年記念ツアーを開始。これにデヴィッド・ラグスデールは参加せず降板し、プログレバンドStratospheeriusのリーダーであるジョー・デニンゾンが新加入した。ツアーのサプライズにて、オリジナルメンバーであったケリー・リヴグレンとデイヴ・ホープが客演している。
2024年、フィル・イハートが心臓発作を起こしツアーから離脱。代役は過去にサポート経験があるエリック・ホルムクイストが臨時で務め、さらにザック・リビの復帰が決まった。
曲作り・サウンドの傾向としてはロックンロール指向の強いスティーヴ・ウォルシュと、プログレッシブ・ロック指向が強いケリー・リヴグレンの2人が中心である。スティーヴとロビーのツイン・ボーカル、リチャードとケリーのツイン・ギター、ケリーとスティーヴのツイン・キーボード、そしてロビーのヴァイオリンを加えた斬新なメンバー構成で、デビュー当初から独自の音楽性を展開した。
プログレとしては「イエス」や「ジェネシス」といったシンフォニック・構築的なバンドの影響を受けており、それらの先逹との差別化として、ハードロック的でアグレッシヴなリズムセクションやバラエティに富んだボーカル、マルチなリード楽器による重層的なアンサンブルなどを武器とした。また当時世界的に隆盛していたハード・ロックを中心として、フォーク、ヘヴィ・ブルーズ、カントリー、ラテンなど、非常に雑多なアプローチを盛り込んだ、洗練されていながら泥臭いというアメリカン・ロックの両端が同居するサウンドも大きな特徴である。デビューが同年だったカナダの「ラッシュ」や、本国の後続である「ドリーム・シアター」「スポックス・ビアード」のように、変則的なリズムを自然に聴かせるアレンジも先進的であった。
アメリカにおけるプログレッシブ・ロック、ことにブリティッシュ・プログレの模倣ではない音楽性を確立したパイオニアとして、スティクス、ジャーニー、ボストンらと「アメリカン・プログレ・ハード」のバンドとして並び称され、後世に与えた影響は少なくない。例えば「伝承」をカバーしているイングヴェイ・マルムスティーンは『偉大なる聴衆へ』を聴いて大きな衝撃を受けたといい、「それまでアメリカのバンドではスティクスをよく聴いていたんだけど、カンサスを知ってからは僕の中でスティクスはかなり小さな存在になってしまったよ」と述べている。
その他にもドリーム・シアターが「伝承」を、サラ・ブライトマン、スコーピオンズが「すべては風の中に」をカバーしている。
※2024年5月時点
年 | 邦題 | 原題 | 最高位 | RIAA認定 |
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1974年 | カンサス・ファースト・アルバム | Kansas | 174位 | 50万枚 |
1975年 | ソング・フォー・アメリカ | Song For America | 57位 | 50万枚 |
1975年 | 仮面劇 | Masque | 70位 | 50万枚 |
1976年 | 永遠の序曲 | Leftoverture | 5位 | 400万枚 |
1977年 | 暗黒への曳航 | Point Of Know Return | 4位 | 400万枚 |
1979年 | モノリスの謎 | Monolith | 10位 | 100万枚 |
1980年 | オーディオ・ヴィジョン | Audio Visions | 26位 | 50万枚 |
1982年 | ビニール・コンフェッション | Vinyl Confessions | 16位 | |
1983年 | ドラスティック・メジャーズ | Drastic Measures | 41位 | |
1986年 | パワー | Power | 35位 | |
1988年 | イン・ザ・スピリット・オブ・シングス | In The Spirit Of Things | 114位 | |
1995年 | フリークス・オブ・ネイチャー | Freaks Of Nature | ||
1998年 | オールウェイズ・ネヴァー・ザ・セイム | Always Never The Same | ||
2000年 | サムホエア・トゥ・エルスホエア | Somewhere To Elsewhere | ||
2016年 | 暗黙の序曲 | The Prelude Implicit | 41位 | |
2020年 | ジ・アブセンス・オブ・プレゼンス | The Absence of Presence |
年 | 邦題 | 原題 | 最高位 | RIAA認定 |
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1978年 | 偉大なる聴衆へ | Two For The Show | 32位 | 100万枚 |
1992年 | ライヴ・アット・ザ・ウイスキー | Live At The Whisky | ||
1998年 | キング・ビスケット・ライヴ | King Biscuit Flower Hour Presents | ||
2001年 | Dust in the Wind | |||
2002年 | ディヴァイス・ヴォイス・ドラム | Device, Voice, Drum | ||
2013年 | There's Know Place Like Home | |||
2017年 | レフトオーヴァーチュア・ライヴ&ビヨンド〜『永遠の序曲』40周年記念ライヴ | Leftoverture: Live and Beyond |
年 | 邦題 | 原題 | 最高位 | RIAA認定 |
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1984 | ベスト・オブ・カンサス | The Best Of Kansas | 154位 | 400万枚 |
1994 | 伝承 | The Kansas Boxed Set | ||
2002 | アルティメイト・カンサス | The Ultimate Kansas | ||
2008 | プレイリスト:ヴェリー・ベスト・オブ・カンサス | Playlist: The Very Best of Kansas | ||
2022年 | アナザー・フォーク・イン・ザ・ロード~結成50周年ベスト | Another Fork In The Road - 50 Years Of Kansas |
年 | 原題 | 最高位 |
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1974 | Can I Tell You | |
1975 | Bringing It Back | |
1975 | Song For America | |
1976 | It Takes A Woman's Love (To Make A Man) | |
1976 | Carry On Wayward Son | 11位 |
1977 | What's On My Mind | |
1977 | Point of Know Return | 28位 |
1978 | Dust in the Wind | 6位 |
1978 | Portrait (He Knew) | 64位 |
1979 | Lonely Wind | 60位 |
1979 | People Of The South Wind | 23位 |
1979 | Reason To Be | 52位 |
1980 | Hold On | 40位 |
1980 | Got To Rock On | 76位 |
1982 | Play The Game Tonight | 17位 |
1982 | Right Away | 73位 |
1982 | Chasing Shadows | |
1983 | Fight Fire With Fire | 58位 |
1983 | Everybody's My Friend | |
1984 | Perfect Lover | |
1986 | All I Wanted | 19位 |
1987 | Power | 84位 |
1987 | Can't Cry Anymore | |
1988 | Stand Beside Me | |
1995 | Desperate Times | |
1995 | Hope Once Again |